セラピスト

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セラピストの平均年収はどれくらい?仕事内容や給料を上げる方法

セラピストという職業に興味がある方にとって、その年収はどれくらいなのか気になることも多いはずです。セラピストはやり方次第で高収入を実現できる職業なだけに、モチベーションを保つためにも年収はキーポイントとなります。

本記事では、セラピストの平均年収や地域別の年収事情、年収アップのポイントをお伝えします。

セラピストの平均年収は363万円

施術をするセラピストの様子

求人ボックスによると、セラピストの平均年収は363万円です。
※引用:求人ボックス「セラピストの仕事の年収・時給・給料」(2024年3月25日時点)

ただし、これは正社員の場合の平均年収です。セラピストの雇用形態には「正社員」「契約社員」「パート・アルバイト」「業務委託」など多様な働き方があり、たとえば「パート・アルバイト」の平均時給は1084円と、それぞれ給与形態には違いがあります。

給与が固定給ではなく歩合給である職場もあり、その中でも「基本給+歩合給」や「完全歩合制」(※)といった違いがあります。歩合給とは成功報酬型の給与形態です。実績によって給与が変わるため、あえて固定給ではなく歩合給の職場を選ぶ方もいます。

出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。

引用:労働基準法 第27条

※労働基準法では以下のように定めされており、労働時間に応じ一定額の賃金を保障することが必要です。雇用契約でない場合、例えば業務委託契約などの場合は完全歩合制も認められます。

歩合給で働くセラピストの場合は、施術した人数や指名数が多ければ多いほど給与も増えます。セラピストとしてのスキルはもちろん、施術件数やリピート率が年収を左右するため、仕事に対するモチベーションも高くなります。

また、福利厚生の充実度や時間外手当も年収を左右する条件です。社会保険が完備されている職場がほとんどですが、パート・アルバイトの場合は個人での加入が必要になるケースもあるので事前に確認する必要があります。時間外手当や通勤手当についても、勤務先によって異なるので注意が必要です。

地域別の年収

セラピストの年収は、地域によっても差があります。以下は地域別の平均月給(正社員の場合)と平均時給(パート・アルバイトの場合)です。

地域

平均月収(正社員)

平均時給(パート・アルバイト)

引用元(※)

北海道

22.5万円

997円

北海道の セラピスト・サロン平均データ

東北

18.9万円

965円

東北の セラピスト・サロン平均データ

関東

21.5万円

2,169円

関東の セラピスト・サロン平均データ

北信越

18.7万円

981円

北信越の セラピスト・サロン平均データ

東海

19.6万円

1,196円

東海の セラピスト・サロン平均データ

関西

20.0万円

1,136円

関西の セラピスト・サロン平均データ

中国

19.1万円

1,017円

中国の セラピスト・サロン平均データ

四国

16.7万円

966円

四国の セラピスト・サロン平均データ

九州・沖縄

19.2万円

1,016円

九州・沖縄の セラピスト・サロン平均データ

※2024年4月24日時点のデータ
※随時更新されているため、最新情報は平均データをご確認ください。

正社員の平均月給が一番高いのは北海道で、年額に換算すると約271万円です。一番低いのは四国で、年額に換算すると約200万円となり、地域によってかなり差があることがわかります。
パート・アルバイトの平均時給は、関東が圧倒的に高く、次が関西、東海と続きます。

セラピストがより年収を上げるための5つの方法

女性のセラピストが施術をしている様子

国税庁によると、給与所得者の平均給与は458万円です(※)。そのためセラピストの平均年収は一般的に見て高いとは言えないかもしれません。しかし、やり方次第で年収を上げることが可能な職種です。セラピストとしてのキャリアを積むうえで、年収アップに必要なポイントをいくつかお伝えします。
※引用:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」

  1. 歩合給のサロンで働く
  2. 資格を取得する
  3. 人気のメニュー・サービスを提供する
  4. オーナーセラピストとしてサロンを経営する
  5. 有名セラピストとして活動する

1.歩合給のサロンで働く

先述のとおり、職場によっては成功報酬型の歩合給で働けるところもあります。つまり、セラピスト個人の売上や成果に応じた給与が支払われるので、集客すればするほど年収がアップするということです。

多くの歩合制サロンでは、売上の〇%といった独自の歩合率が設定されており、売上額に応じた報酬が支払われる仕組みになっています。
たとえば歩合率が30%で、施術料金が1回5,000円だった場合は「5,000円×30%=1,500円」となり、セラピストは1回の施術で1,500円の収入を得ます。
歩合率が高くなれば、その分歩合給も上がるので、職場選びの際は事前に確認しておくのがおすすめです。さらに、お客様からの指名がある度に指名料が加算されるケースもあります。

固定給の場合は、毎月の給与が安定しているのがメリットですが、年収アップには時間がかかるのがデメリットです。それに対して歩合給の場合は、自身の努力次第で年収アップが期待できる点に加えて、仕事に対する張り合いが出てやる気につながるというメリットもあります

もちろん、新入社員のうちからすぐに給与がアップするわけではないので、まずは固定給から始めて、慣れてきたら歩合給に切り替えるという働き方も選択肢の一つです。

2.資格を取得する

「セラピスト」と名乗るために、特に資格が必要なわけではありません。ただし、専門知識を有するセラピストの施術はお客様に安心感を与え、セラピスト個人やサロンの信用度も上がります。雇用する側からも魅力的な人材となり、結果的に年収アップにもつながります。

セラピストが取得できる資格は、民間団体が認定する独自の資格が多く、以下のようなものがあります。

  • リラクゼーションセラピスト認定資格
  • アロマテラピー検定 (AEAJ)
  • アロマセラピスト (AEAJ)
  • リンパケアセラピスト(JADP)
  • AJESTHE認定エステティシャン

取得するには、各団体が定めた受験条件や合格基準を満たす必要があります。セラピストとして働きながら年収アップのために資格を取得する方も少なくありません。

ただし、病院や学校、福祉の現場などにおいてカウンセリングやセラピーを行うセラピストの場合は臨床心理士や公認心理師といった資格が必要です。どのような仕事に携わるかによって取得する資格が異なるので、希望する職場や年収との兼ね合いも考慮して資格取得を選択しましょう。

セラピストを目指すうえでおすすめの資格についてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
「セラピストとは?職種ごとに国家資格・民間資格や仕事内容、目指す方法を解説【専門家監修】」

3.人気のメニュー・サービスを提供する

セラピストの仕事の特徴として、提供するサービスの幅が広いことがあります。それを年収アップに利用しましょう。

ただし、需要が少ないサービスを提供し続けてもあまり意味がありません。最新のトレンドを知るために常にアンテナを張って、ニーズの高いメニューやサービスを提供するのが年収アップのポイントです。

また、話題性のある旬の施術を取り入れるのも効果的です。技術は常に進化し続けているので、講座などに積極的に参加して最新の技術を学ぶことも年収アップにひと役買います。

セラピストとしてサロンを経営する女性

4.オーナーセラピストとしてサロンを経営する

給与制で働くのではなく、オーナーセラピストとしてサロンを開業して年収を上げる方法もあります。独立して経営者になれば、給与は自分で決めることができるので年収アップが可能です。
また、開業する場所や施術メニュー、価格設定なども、自身の強みを活かして決めることで収入アップにつながります。

さらに、高いスキルをもつセラピストを従業員として雇うことでサロンを人気店にし、店舗を増やしながら年収を右肩上がりにすることも可能です。
ただし、開業すれば必ず年収が上がるわけではありません。セラピストとしての高い技術に加えて、集客力や店舗運営に関する知識を得て競合との差別化を図ることができるような、オーナーとしての経営スキルが必要です。

5.有名セラピストとして活動する

セラピストとしての知名度を上げて、活躍の場を広げる方法もあります。歩合給の場合、集客力があり人気が高いセラピストは給与も高いです。リピート率や指名率、口コミでの評価が高いセラピストとなれば、サロンの売上にも好影響を与えるため、当然年収も上がります。

有名なセラピストとして情報発信をうまく利用すれば、顧客数が増えさらに年収も高くなります
そのためにSNSを利用するのは効果的な手段です。Instagram、TikTok、YouTubeなど、こまめに更新してフォロワーや登録者数を増やすことができれば集客につながり、有名セラピストになれば新規顧客も獲得できます。

さらに、知名度が上がれば講演会や本の執筆などのチャンスが舞い込むかもしれません。仕事の幅が広がり、講演料や原稿料、印税など、セラピストとしての仕事以外の収入を増やせる可能性があります。
SNSの戦略的な活用方法に関する講座などに参加して、収入アップのために知識を身につけるのもおすすめです。

まとめ

セラピストの平均年収は363万円と、他職業全体の平均年収に比べると高くはありません。

しかし、仕事のやり方次第では年収をアップさせることが可能です。サロンのオーナーになったり、有名なセラピストになったりと、可能性は無限にあります。セラピストとして働きながら理想の生活を実現するために、本記事で紹介した年収アップのポイントを参考にしてください。

プロフィール画像

監修者樋口 直彦

整形外科医

医療法人藍整会 なか整形外科(理事長)

帝京大学医学部卒業後、いくつかの病院で勤務し、院長を経験後、2021年1月に医療法人藍整会 なか整形外科の理事長に就任。
バレーボールVリーグのサントリーサンバーズのチームドクターも務める。骨折治療をはじめ関節外科、スポーツ整形外科を専門に治療。
クリニック運営にICTを推進し、お待たせすることない診療が信条。

執筆者rodem28